(前回のあらすじ) 古澤満博士は生物が進化する性質と進化しない性質を併せ持つことに注目し、どのようなシステムであればそれが可能であるかを思考実験した。その結果、単細胞生物が分裂・増殖する際に、一方の娘細胞が必ず正確に複製された親の表現型を受け継ぎ、もう一方の娘細胞は必ず変異が付加されたゲノムを受け継ぐことを代々反復すれば、これらの相反する性質を併せ持つことが可能であることを見出した。彼はこのシステムを「元本保証の多様性創出」と名付け、生物界が、多細胞生物を含め、このシステムに従っていることを示した。
ヒトを他の動物と比較した場合の相違点を12項目選び、それらがどのように進化してきたかを考察する3回シリーズの2回目です。主に文化的な進化を取り上げます。
進化シリーズの最後は、ヒトを他の動物、特に類人猿と比較した場合の相違点を12項目選び、それらがどのように進化したかを考察します。今回は身体的特徴の進化を5つ取り上げます。
ダーウインが『種の起源』を書いたのは160年以上も昔のことであり、当時の科学の水準では扱えなかった進化の謎がいくつもありました。今回はその中から4つを取り上げます。
「ウイルス進化説」とは1970年にアンダーソンが発表した、「ウイルスの感染によって生物に持ち込まれた遺伝子が生物を進化させる」という仮説です。今回は日本のウイルス進化説の現状を取り上げます。日本のウイルス進化説の現状には特殊な事情があります。
「ウイルス進化説」とは、「ウイルスの感染によって生物に持ち込まれた遺伝子が生物を進化させる」という仮説です。ウイルス進化説には2種類あり、1つは現在主流の進化説であるネオ・ダーウイニズムを否定せず、これにウイルスによる進化を追加する進化説です。もう1つは進化の原因をウイルスに限定し、ネオ・ダーウイニズムを否定する進化説です。まず前者から見ていきます。
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