女性ホルモンは卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモンからなる。エストロゲンはエストラジオール、エストロンおよびエストリオールで、子宮、乳腺、膣、卵管などの発育促進作用を有する。活性の強さはエストラジオール > エストロン > エストリオールの順である。
私が在籍していた頃の武田薬品の薬剤安全性研究所は、大阪地区以外に山口県の光市にある工場の敷地内に支所があった。工場での余剰人員の活用化のために作られたという噂があった。当時の私は40歳代の働き盛り、意気揚々と仕事をしていた。出世も目指していた。道修町にある本社部門と連絡を取りながら、臨床試験の開始や新薬の承認申請のための安全性試験の実施、資料の作成、そして会議に明け暮れていた。充実した毎日であった。そしてある日、上司の呼ばれた。
先日本棚を整理していたら、従業員に配った武田二百年抄史という分厚い本が出てきた。最初に本社の写真、次ページに大阪の十三にあった中央研究所の写真が載っていた。この建物は3棟からなり、その2棟7階の7010号室に新入社員あった私は配属された。下手なテニスを日々披露したテニスコートの写真もあった。しかし、この中央研究所の建物は、今はもうない。久しぶりに武田薬品での思い出を書いてみたくなった。
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染によるパンデミックが発現して1年半が経過し、このウイルスの特徴もかなり明らかになってきた。その中でも、COVID-19と心血管障害との関連はSARS-CoV-2感染が報告されてきた初期から注目されてきた。
医薬品の安全性評価を担当している研究者は、電子顕微鏡の病理像でラメラ構造(層状構造)をみるとホスホリピドーシスと思う。しかし、一般的には人体におけるラメラ構造というと、まず皮膚の角質層が頭に浮かぶのではないだろうか?
欧州での第2波の新型コロナウイルス感染が急速に拡大し、第1波の3倍近くに達している。フランスではパリなどの9都市圏で夜間の外出禁止措置が始まった。夕食を楽しむ人でにぎわうパリの夜の街角は静けさに包まれているという。
世界で、南米、北米、欧州、インドで新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。インドでは1日10万人規模の新規感染者が出ている。感染に対する厳しい行動規制を取ったフランスやスペインにおいても、1日の新規感染者は1万人と報告されている。米国では1日約千人程度の新型コロナウイルス感染に起因した死亡がみられるという。
子供は新型コロナウイルスに感染することが少なく、軽症者が多いといわれている。8月16日の読売新聞朝刊に「コロナの疑問 – 子供は軽症で済む?」というコラムがあったので紹介する。
新型コロナウイルス感染はなかなか収束する様子がみられない。東京や埼玉にはそれぞれの新型コロナウイルス変異体が発現しているという報告もある。人は実験動物と比較して遺伝子が多様なので、個々の人で免疫が強かったり弱かったり、抗体の発現にも大きな個人差が現われていると思う。ここで、原点に戻り新型コロナウイルス感染と疾患との関係について考えてみたい。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)はSARS-CoV2による感染症で、WHOが命名した病名である。COVID-19とはcoronavirus disease 2019の略である。SARS-CoV2とはsevere acute respiratory syndrome coronavirus 2(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2)の略で、ウイルスの名前である。
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