私が在籍していた頃の武田薬品の薬剤安全性研究所は、大阪地区以外に山口県の光市にある工場の敷地内に支所があった。工場での余剰人員の活用化のために作られたという噂があった。当時の私は40歳代の働き盛り、意気揚々と仕事をしていた。出世も目指していた。道修町にある本社部門と連絡を取りながら、臨床試験の開始や新薬の承認申請のための安全性試験の実施、資料の作成、そして会議に明け暮れていた。充実した毎日であった。そしてある日、上司の呼ばれた。
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