統計手法で「回帰」と聞くと、一般的には単回帰分析 simple linear regression analysisを想定します。単回帰分析は、x 軸に用量、y 軸に反応値があり、その直線性の有無を知りたいとき、そしてx 軸からy 軸の値を予測するときに用いる手法です。一方、重回帰分析とは、1つの目的変数(従属変数)に対して複数の説明変数(独立変数)を用いて回帰分析を行うことです。そのねらいは、重回帰式を使って、目的変数の値を予測することにあり、その目的変数に影響を与えている説明変数を探索することでもあります。ここでは、都会の高級マンションの賃貸料(家賃=目的変数)を部屋面積と築年数(説明変数)から予測することを取り上げてみました。
2x2分割表の検定は、2項目の質的データにおける関連性、あるいは2群の比率の差をみるものとして広く用いられている検定手法で、本一口メモにおいても第7話に載せています。
今回とりあげるMantel Heanszel(マンテル・ヘンツェル)検定は、その2x2分割表の応用編で、論文でもよく見られる手法です。ここでは福富論文1)のデータを基に解説します。
第13話に「相関をp値で見てはダメ!」を載せたのですが、その中でも寄与率にふれました。でも、ここに再度とりあげて相関係数と間違わないように、その違いを確認しておきたいと思います。
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